青森ヒバの土台について

土台材に適した国産の樹種として、青森ヒバを選ばれたことは大変良いことです。青森ヒバには、ヒノキチオールが1~2%(100㎏で約1㎏採油)含まれており、抗菌力に優れた成分や香料が菌だけに限らず、住まいにとって大敵であるシロアリを寄せ付けることのない忌避、殺虫効果もあります。

青森ヒバは、土台に最も適した木材です。質問の青森ヒバ材の土台の人工乾燥材の件ですが、これはあまり行われないようです。内装材の場合は人工乾燥は行います。

なぜ、土台は人乾を行わないかというと、青森ヒバは別名「アテ」と呼ばれるくらい狂いやすい樹種のため乾燥するとねじれたり暴れたりする木材が多く「歩留まり」が悪いのです。特に、土台に使用される木材に等級は1等、特1等の木材で、さらに青森ヒバの節が大きくグリーン材でさえ製材時節が飛んだりします。これが乾燥を行うと節割れが発生します。内装材の場合は、素性が良い、上小節や無地、無節部分が多いためそのようなことが少ないのです。

青森ヒバ土台を人工乾燥をかける場合は、4寸角(12㎝×12㎝)の土台を求める場合は、先程の狂いや暴れを考慮して4.5寸角(13.5㎝×13.5㎝)で製材した土台を人工乾燥かけ、その後に再度、曲がり、捻れの修正の為の製材を行います。含水率は約25%です。多くのヒノキチオールは揮発しますが全てが揮発してしまう訳ではありません。内装材の場合も人工乾燥をかけて含水率約18%位にしますが、内装材の臭いをかいでもらうとわかりますが、青森ヒバ特有の臭いがします。

土台の価格ですが、歩留まりの悪さと手間がかかるため、グリーン材の約2倍ぐらいになります。市場価格の変動もありますが2005年8月現在で、12㎝×12㎝×4m(0.0576立法メートル)で、8,300~8,700円/本(一般ユーザー価格)になります。

私共では、1階の大引き、根太施工後、青森ヒバ精油を2〜3倍に希釈して土台は勿論、床組材に散布、塗布いたします。

グリーン材の土台の使用ですが、青森ヒバの場合は一般的にはこちらの使用方法が多いようです。それは人乾土台のコストからです。製材業者の青森ヒバの一般的な入手先は、青森森林管理局からの入札によって仕入れております。国有林からの青森ヒバの伐採が大半で、伐採から製材、出荷までは、6ヶ月から1年ぐらいです。含水率は約50%です。天然乾燥材は、大部分が国有林のため伐採してすぐに土場に運ばれるためないようです。

グリーン材の土台の価格は、市場価格の変動もありますが2005年8月現在で、12㎝×12㎝×4m(0.0576立法メートル)で、4,150~4,350円/本(一般ユーザー価格)になります。

グリーン材使用時の床鳴り、狂い及び、欠点を押さえる対策ですが、アンカーボルトの間隔を、私共では約1.8~2.7mの範囲内に設けて、さらに端部、土台ジョイント付近に設けておきます。しっかりとコンクリート基礎に固定して暴れないようにします。固定して、なじみ乾燥してからは大丈夫です。大工が手刻みで行う場合は、土台の加工は最後に行うことです。

木材を知らない大工は、最初に加工して作業場においておくと、最後の木材の加工が終わるごろには日数が経過しているので、青森ヒバの土台が狂い土台敷きの時に継ぎ手が納まらなかったなどと頭をかかえる大工も少なくないようです。加工前には、水につけてたり、水を散布してから最後に加工する大工もいるほどです。

上棟後、しっかりとボルトで固定され、柱や間柱が固定されてから暴れたことは私の場合はありません。床張り前に、再度土台のアンカーボルトの緩みをチェックし、締め直すことは当然のことです。土台に直に厚合板の施工は土台の影響を受けやすいので、この場合は、大引き、根太組の施工をお勧めいたします。