地鎮祭について

建築には欠かせない儀式「地鎮祭」

地鎮祭とは、土木・建築などに先立ち、その土地の神を祭り、工事の無事を祈る儀式です。施主にとっても、その土地でこれから数十年と住んでいくため、『土地の神』に挨拶する大切な行事です。
最近では、建築主も面倒ということで省略されたり、分譲住宅や建て売り、売り建て(形だけの注文住宅風にしているだけのもの)方式での家づくりや、ハウスメーカーの建築方式の中には、建築の儀式を行わない事も少なくないようです。歴史的に見ても、地鎮祭は数百年以上の歴史があり、遠い昔から行われている歴史ある大切な行事です。最近では、自分の両親も経験がなかったりと、正しい知識を持っている人も少なく、儀式を経験した人が少ないようです。様々な面で大切にされている地鎮祭を行わず、後悔してしまう前に、地鎮祭の日の選び方について説明します。

日本人は、昔から、結婚式や七五三などの祝い事を行うときはよく大安吉日を選び、事を運ぶことが多いようです。気にしない方もいますが、何か良くない事が起きたときなどは、親戚や廻りの方から指摘されると後悔することが多いようです。実は、建築計画をしていく上で、建築上の儀式があります。

地鎮祭の日の選び方
大安、友引を探す。
六曜は、中国の六壬時課(りくじんじか)という時刻の占いが我が国に伝わり、日の占いに変化したもので、旧暦の朔日ごとに繰方が変わります。明治以 前の暦には記載されていない比較的歴史の浅い歴注ですが、今日の日本では主に冠婚葬祭などの儀式と結びついて使用されています。

選日を検討する。
一粒万倍日などの吉日や、三隣亡などの建築関係において大凶日とされる選日を考慮して選びます。

地鎮祭の吉日を探す。
甲子、申辰、甲午、乙卯、乙酉、乙亥、庚子、庚辰、庚午、庚戌、辛丑、辛亥、壬申、癸巳、癸酉、癸亥を吉日とします。また、正月は子、二月は丑、三月は寅と十二支を順に数えて、その日を地鎮祭の大吉日とされています。

土用の期間を避ける。
五行説によれば、春は木、夏は火、秋は金、冬は水の気が司り、四季の最後の約18日間は土の気が配されるため、土用の期間には、土を犯したり、殺生することを忌むようにします。大安や友引の日を選択するのも大事ですが、土用の期間に地鎮祭を避けることも大切です。このような習わしや知識を知っている方や建築のプロでも少ないようです

自分と家族が休日の取れる日程も検討する。
家族にとっては、一生に一度の大事業ですので、同じ始めるなら日の良い日に始めることに越したことはないのですが、仕事の都合もあり休める日も限られています。また、工事の日程や工事業者の都合もあります。そのため、上記のような検討をしていき、妥協できる日程で決定しているのが実情です。日程は、大安や友引の日だけでなく、先勝(午前中は吉)、先負(午後は吉)などの日程も選ばれて、地鎮祭を行っています。