手漉き和紙を貼る接着剤は?

工事業者様から、「手漉き和紙の製造元の近くで育ち、自然や草木を大変大切にされるお施主様が、和紙の糊も自然素材にこだわっておられます。そこで、壁装スターチという製品で壁に和紙を貼れるでしょうか?壁の下地は合板のままです。手漉き和紙の為、不陸は全く気にしません。」と、ご質問を受けました。

私共の事務所も植物(草)を原料とした原材料を多く使用します。特に和紙は、風合いが優しく和風でも洋風のインテリアでも大変良くマッチします。ビニールクロスなどに慣れ親しんでいると素材のも強さを感じることが無くなって、私たちの感性までもダメにしていくような気がします。和紙は、呼吸をして調湿作用をしてくれます。特に、通気性があるので、ビニールクロスのように内部の水分がクロス内側にたまり、黒カビを発生することがないのです。

汚れるとシミになって汚くなるので使いたくないという方がおりますが、それは食わず嫌いと同じで、使ってみないうちから毛嫌いしているからです。小さなお子さんがいる家は別として、通常、壁の部分は、ホコリなどによって少し汚れる程度です。壁の部分は、ハタキなどを掛ければ、十分対処できます。また、汚れたとしても、そのよごれに本物の味わいが出てきます。

さて、本題に入りますと、壁装スターチで、和紙を張ることは可能です。私共も、澱粉糊系のクロス用接着剤で施工しています。但し、ビニールクロスのように、糊を付け置きしての施工は吸い込みが早いので出来ないようです。次に下地ですが、合板下地の場合は、クロスの糊の水分が合板に染み込み、そして、蒸発するときに合板のアクが表面に出てくるので変色することが多く見受けられます。合板の種類によって、グリーンや赤などに変色するので注意が必要です。

クロス業者や職人と相談して、アク止めを行うか、パテ処理などで対処するかを相談した方がよいです。但し、アク止めのプライマーなどを処理する場合は、臭いなどにより建築主の方がアレルギー症の方で、それらにより、シックハウス症候群などにならないように十分な説明と施工方法の変更などを検討すべきです。私共は、石膏ボード下地としています。エアコンの下地やカーテンポール下地などは、針葉樹合板を石膏ボードの下に施工します。施工効率も悪いので、施工費のアップは当然のようです。